国産無垢材の家

地震が多く夏に高温多湿になる日本の住まい。
地震に耐える丈夫な国産材、湿気をコントロールする漆喰壁。
畳、障子、風を通す間取りの工夫と職人の技。
人と環境にやさしい家づくりの根幹です。
国産無垢材の家

国産無垢材と職人がつくる家

日本の木を使う「地域循環型」の家づくり。
「地域循環型」の家づくりは地域経済の活性化に貢献しています。

『伝統工法を受け継ぐ職人の技術』

プレカットでは実現できない強さと耐久性を手刻み加工で実現

赤松は粘りがあって強く、梁や桁などの構架材として最高とされ、家を解体する際何回も再利用されるほどでした。しかし、一方で気難しいとされる材木でもあります。 今、赤松は日本の山から消えつつあります。それは、松喰い虫の被害もありますが、それ以上に大工職人の技術が衰えてきたことが理由です。四季工房で丈夫な赤松を自在に使いこなせるのは、伝統工法「手刻み」を守り続けているからこそなのです。

四季工房の家を10年以上手がけている大工は、「プレカット材を使った時期がありましたが、機械での加工では仕口の角がしっかりと出せないため、部分的に納まりにくくなります」と話しています。機械ではできない熟練大工の手仕事による加工が、丈夫で美しい室内の木組みとなり、また見えないところですが、柔軟性を持った耐震性の向上に寄与しています。

国産無垢材を大工が手刻みする伝統軸組工法。

手刻みは変形しにくい構造をつくり出します。また、釘や接合金物を使う箇所を最小限に留めることは、錆や材質の違いによる接合部のゆるみを避け、家を長持ちさせる大きな要素のひとつとなります。シンプルだが、手刻みで木と木をしっかり組むことで大きな構造の家をつくり上げる「伝統軸組工法」はまさに先人がつくり上げた日本の風土に合った工法なのです。

手板、墨付け、カンナかけ、ノミを使った手刻み加工。日本の職人の技と技術。

家一棟をつくり上げるまでには100を超える工程、100を超える技が必要

手刻みの順序を大まかに説明しましょう。 まず、棟梁が設計図をもとに家のどこにどういった木を使うかを決めるための図を起こします。材木が到着すると、それぞれの性質を見ながら使う場所を決めていきます。ベテランの目利きになると、材木の姿や切り口などから産地、土壌、育った環境、年齢、癖を見抜けます。使う場所が決まったら木の一本一本に「墨付け」をし、家の土台、柱、梁として組み上げるために刻む位置に印をつけます。次に墨付けされた箇所に「継手」や「仕口」をつくっていきます。最後に、見える部分に使う化粧材には手ガンナをかけます。これが大まかな手順ですが、細かい手順をすべてあげると、家一棟をつくり上げるまでには100を超える工程、つまり100を超える技が必要になるのです。これだけの技術で作り上げた家。その強さは上棟時ですでに違いがわかります。

職人とその育成

伝統の技が発揮できる四季工房の家づくり

四季工房の家に入ったら漆喰の壁にふれてください。しっとりした肌ざわり、冷たさの中にある温もり、左官職人の丁寧な手仕事を感じるはずです。

爽やかな香りが漂う畳に寝転んでください。畳職人の手仕事の温かさを感じるはずです。
壁も畳も、そしてシステムキッチンまで、四季工房の家は、熟練と丹精を込めた職人技で仕上げられています。
伝統の技を発揮できる四季工房の家づくりは、職人たちにとっても喜びの場です。
今ではなかなか使うことのできない日本の木材に向き合い、工夫し楽しみながら家をつくっています。
徒弟制度のようにして地域で継承されてきた大工職人の高度な技は、後継者不足のため日本から消えようとし、プレカット加工やボンドでの仕上げが全盛の今日も四季工房では会社ぐるみで職人を育成しています。

日本の伝統の技を継承する「大工育成塾」

日本の家づくりの伝統技術を持つ熟練の職人たちが、四季工房の家づくりの屋台骨です。
ところが、そのような職人が高齢化してきており、また、プレカット加工やツーバイフォー工法の普及で昔ながらの技術を身に付けた中堅・若手の職人が急減しています。
世界に誇れる日本の伝統工法の家づくりを守り、後世に継承していくために、私達は「若手大工育成支援制度」を設け、大工棟梁を育成していきます。
このようにして育った職人たちが地域の木材で家づくりをすれば、地域の自然資源と職人を活用した「循環型社会」づくりにつながり、経済もまた地域内で循環することになるはずです。

国産材と自然素材を使って家をつくるということ

日本の木を使う「地域循環型」の家づくり。
「地域循環型」の家づくりは地域経済の活性化に貢献しています。

自社一貫生産の取り組み

本当に良質な木材を使うには自社一貫で生産する

~徹底して良質材をつくる。木造住宅は木が命だから。~

私たちが考える理想の木造住宅にはそれに見合う木材が必要です。それは、日本の山で育ち極寒の冬に伐採、天然乾燥した国産材です。しかし、現実にはそういう由緒正しい木材を手に入れることは今やとても困難になってきました。そこで、私たちは市販の木材に頼るのではなく、自前でつくることにしたのです。日本の木に合った伝統的な工法で、一つの工程も合理化することなく、時間と手間ひまとを掛けて良質な理想の木材をつくるために。

適期伐採(新月伐採)

木が成長活動を休止する冬期間(11月〜1月)に伐採。さらに杉は新月伐採で、最良の伐採時期を追求しています。適期伐採は良質材をつくる基本中の基本、丈夫で色ツヤが良く、長持ちする材をつくります。

葉枯らし乾燥

木の乾燥は、できるだけ自然に近い環境が木にストレスを与えず理想的と言えます。まず伐採をした木材は葉をつけたままその場所に3〜6ヶ月間寝かせ、自然に葉からの水分蒸発を促し木の中に含まれる水分を減らします。

天然乾燥

さらに自社の乾燥センターで約1年間、自然の風を利用してじっくり乾燥させます。高温の人工乾燥のように木を傷めないので、木の細胞は健康なままです。丈夫で経年変化の美しい木材に仕上がります。
杉材:約6ヶ月間(葉枯らし乾燥を3〜6ヶ月間実施するため)
赤松:約1年〜1年半(乾燥センターで桟積み乾燥。場所を移しながら乾燥させる)

仕上げ製材(くるい取り製材)

乾燥に伴ってねじれが生じた木材を熟練の職人が何度も製材機械を動かし、決められた寸法にします。その後、プレーナー(自動カンナ)にかけて精緻な角材に仕上げていきます。

手板の作成・手刻み加工

手きざみのスタートはまず、「手板」と呼ばれる軸組み図を大工がつくります。その後、熟練の大工職人が、木の個性を見極め、使用箇所を選んで墨付けし、手刻みを行います。化粧材はさらに手カンナで仕上げます。いずれも、日本の家づくりでほとんど見られなくなってしまった工程です。

新月伐採とは

新月伐採とは、下弦から新月の前日までの1週間に伐採することです。オーストリアのエルヴィン・トーマ氏は「新月の時期に伐った木材は良質で長持ちする」という言い伝えが真実であることを確信。1996年に「木とつきあう智恵」を出版すると、ドイツでベストセラーになりました

日本一の床材ができるまで

伐採

「寒切(かんぎり)と新月伐採・葉枯らし乾燥」

木の生長が穏やかになる冬季に伐採します。くるいが少なく、カビが入り難い丈夫な木材になります。
冬伐った木を春まで3ヶ月以上葉をつけたまま山に寝かせます。葉の蒸発作用で穏やかに乾燥し、色艶の良い高品質な木材になります。

乾燥

桟積み(さんづみ)」

製材所から届いた「あらびきの板」を、シルバーさんが積み上げる作業です。交互に積んで板の間に風の通り道を作ります。こうして積み上げられた板は2ヶ月以上雨ざらしで自然乾燥させます。木の渋みを抜くための昔からのやり方です。

「機械乾燥」そして「再び自然乾燥」

多くのハウス・メーカーは伐って間もない「ズブ生」の木を90~120度2、3日で乾燥します。木は焦げ、嫌な匂いを発し死んでしまいます。しかし、四季工房では50度で一週間以上かけじっくりゆっくりと乾かします。こうして乾かした木の水分含有率は10%。これを再び自然乾燥すると15%になります。これが木の自然な生きた状態です。
無理にカラカラに乾かした木はあばれたりねじれたりと気難しいのですが時間と手間をかけた丁寧な乾燥方法によって、木の本来の強さを引き出しています。

成型

「床材」「天井材」「壁材」の形を整える。

塗装

四季工房ならではの手間と時間をかけた塗装。

磨く

床材はサンドペーパーで。天井材・壁材は超仕上げマシーンで。

塗装

ひまわり油・菜種油・亜麻仁油など自然の塗装材で。

乾かす

仕上げの塗装材を塗る

自然素材の塗料

乾かす

このようにじっくりと時間をかけ、多くの行程を経て丁寧に塗装されます。
塗装に用いる塗料は自然素材のみ。四季工房の家は国産無垢材と自然素材でつくります。住む人の健康への配慮はもちろん、木材を再利用する場合も、廃棄する場合も環境によいのです。

出荷

最短でも半年、最長では1年半もの時間をかけ見違えるようにきれいに加工された部材が出荷されます。

四季工房のつくる床材は日本一という誇りが自分たちにはあります。

削るのも塗装も手づくり、日本の木に合った伝統製法で作っている。ここでつくる床材は日本一という誇りが自分たちにはあります。ここで働いて14年、地元で働けるのも嬉しい。ビニールハウスの作業場から出発したこと振り返ると、今の規模にまで大きくなったことがビックリ!とても感慨深いです。(平田加工場長 遠藤談)

地震に強い家

ていねいな家づくりが確かな安心を築きます。

粘り強い日本の木材、揺れに強い構造、見えないところや隠れたところに施された手仕事。それらの積み重ねが確かな安心を築き上げます。四季工房の家は、強度のある4~6寸角柱が標準仕様。そこにしっかりした梁・桁を組み合わせて、日本の伝統工法による「柔構造」の骨組みを作り上げます。壁には耐震性が実証されている「モイス」を外張りし木造軸組に壁面強度をプラス、その結果高い耐震性を実現しました。

高い水準の基本構造

二重の耐力壁構造。
基本構造(架橋)をしっかりっ守った設計力。バランスよく配置された壁。

天然乾燥

丈夫で粘りのある国産材を天然乾燥。
自社一貫生産システムでつくる良質な木材。

手刻み

熟練大工による丁寧な手きざみ加工。
経験に裏打ちされた施工技術の高さ。

地震に強い家。その他のポイント

  • 屋根が軽いこと。(軽量のガルバリウム鋼板葺きを推奨)
  • 素材を選ぶ。(塗り壁はクロス壁よりひび割れしにくい)
  • 造り付け家具を多くする。(食器棚、茶箪笥、本棚の転感想倒防止)

耐震性の高さは実験でも証明されています。

耐震起振実験を実施

耐震起振実験を実施

エアパス工法の壁は在来工法比1.66倍!

柱間に発泡系断熱材を施工したエアパス工法の壁の強さが試験により証明されました!
【(一財)ベターリビングつくば建築試験研究センター 水平加力試験(2016年8月3日実施)】

家具や家財もコップひとつ落ちることなく、被害は全くありませんでした。

宮城県亘理郡亘理町 齋様

震災で被害を受けられた方々に、心よりお見舞い申し上げます。わが家は被災地の中にあっても、津波の到達を寸分先で免れ、おかげさまで家族揃って自宅で暮らしています。本震の時は外出しており、皆様と同じく、帰宅するまで自宅の様子がたいへん気がかりでした。幸い、建物、住設共に震度6強の揺れに耐え抜き、家具や家財もコップひとつ落ちることなく、被害は全くありませんでした。時に強い余震があるものの、現在はライフラインがすべて復旧し、宅内の電力・給排水の状態も問題ありません。今回の地震直後から1週間ほど、わが家には3家族・20名弱の親戚が身を寄せ、一緒に助け合いながら暮らしました。建物の耐震性に確固たる自信がなければ到底受け入れることはできませんでしたが、私は何の迷いもなく、むしろ積極的に声をかけ、わが家に来てもらいました。このことは、私たち夫婦が描いた「家」に対する夢と希望を最大限に尊重しつつ、「四季工房イズム」ともいうべき貴社の信念(こだわり)を融合させた設計力と、それを見事に実現させた技術力に誇りと確信があったからこそできました。地盤改良から始まり、頑固で丁寧な基礎工事、しっかりと太い松を使った手刻みの柱・梁・桁の組み上げ、更に耐震性に優れた壁面材を施工していた様子を思い出しては、すべての社員様・職員様・業者様に感謝している次第です。余震が続くなか、薪ストーブの使用は火災予防の観点から念のため控えておりましたが、他の設備品と同様に使用上の問題はありません(暖かい季節になりましたので、今シーズンの使用はそのまま止めました)。外気温が少し低い朝もありますが、「エアパス効果」で陽射しのある日中の暖かさが翌朝まで保たれ、室内どこに居ても暖房いらずで、毎日快適に過ごしております。

イザという時に、すぐ駆けつけてくれる!造り手と住み手の絆こそ大事!

もし大きな災害の後、どこにも修理を依頼できず頼むところがなかったら・・・。こんな心細いことはありません。大震災のような時こそ、頼りになる存在でありたい。困っている時こそ、そっと手を差しのべることができる主治医のような工務店でありたい。だからこそ、普段からお互いにコツコツと信頼関係を築いていく必要があるのだと思います。