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自然素材の家とは? メリットとデメリットも解説

自然素材の家とは?

昨今、SDGSや健康意識の高まりから、自然素材を売りにする住宅メーカーが増えてきました。

自然素材の家と聞くと何となく環境に優しい、体に優しく健康に暮らせるなどのイメージを持たれるのではないでしょうか。

しかし、自然素材の家とは何なのか、明確な定義があるわけではありません。

家の一部に使っていても自然素材の家をうたっているメーカーもあり、家のどの部分にどんなものがどのくらいの割合で使われているのか不明瞭です。

そもそも自然素材は本当に体に優しいといえるのでしょうか。

なぜ自然素材が体に優しいといわれるのかというと、新建材などの化学物質を含む素材に対してシックハウス症候群の原因になるVOC(揮発性有機化合物)を放出しないといわれているからです。

しかし、自然素材であっても薬剤処理をしたり、接着剤で加工していたりしたら体に優しいとは言えなくなってしまうのではないでしょうか。

家の中で木目が見えたら、あるいは塗り壁であれば”自然素材の体に優しい家”といってよいものでしょうか。壁や床などだけでなく、下地材など見えない部分に何を使っているのか、その素材にはどのような成分が含まれているか、家づくりを考える際によく調べてみる必要があります。

全ての新建材や防虫、防カビなどの薬剤処理されたものが有害なVOCを放出するわけではありませんが、人体に有害であると考えられているVOCは約300種類もあり、このうち厚生労働省が室内濃度指針を定めたものは僅か13種類にすぎません。

基準を満たしていたら安全とはいえないのが実態で、そのために24時間換気が義務づけされていると言えます。

現代の家づくりに使われている代表的な素材を部位ごとにまとめました。

身体に優しい素材といえるものは極く僅かで、健康に暮らすためには、ほとんどの家が24時間換気に頼らざるを得ないといえます。

国産の無垢材であっても薬剤処理をしているものはVOCを放出する可能性があります。

無垢材(接着剤未使用)国産材杉、檜、赤松、欅、ナラ、桜など薬剤処理なし
薬剤処理あり
外材オーク、チーク、ウォールナット、パインなど輸出国で製品化されたものは薬剤処理なしのものもある
集成材単層フローリングと複合フローリングがあり、接着剤、防湿・不陸緩和剤(製品による)が使われている

イ草、藁、綿、麻が自然素材ですが、防虫シートを挟んでいる畳の場合はVOCを放出します。

畳表イ草国産無農薬・低農薬
農薬使用
中国産農薬使用
和紙に樹脂コーティングを施してある
樹脂ポリプロピレンと無機質剤、着色剤が主原料である
畳床本畳(稲藁)綿や麻糸で藁を縫い上げた伝統的な製法でつくられる
稲藁サンドウィッチポリスチレン、畳ボードを稲藁で挟み接着される
ポリスチレンポリスチレンフォームに合板などを接着される
畳ボード木質繊維を接着成型したものである

壁・天井

自然素材といえるものはわずかでほとんどの素材が化学物質でできています。

無垢材国産材主に杉や檜の間伐材を利用薬剤処理なし
薬剤処理あり

外材
輸出国で製品化されたものは薬剤処理なしのものもある
天然木化粧合板薄くスライスした突板を接着剤で合板に貼り合わせたものである
プリント合板模様を印刷した化粧シートを接着剤で合板に貼り合わせたものである
塩ビクロス塩化ビニル樹脂に可塑剤、安定剤、発泡剤、難燃剤、着色剤、防カビ剤を添加したものである
紙クロスパルプ、ケナフなどの非木材紙や再生紙が原料、表面樹脂加工品もある
和紙薬剤を使用していないものあるが、防炎加工や撥水、防汚加工されたものもある
織物壁紙植物繊維、動物性繊維、化学繊維、フェルトなど様々なものがある
漆喰消石灰を主原料にスサと海藻糊を混ぜたものである
珪藻土主原料は自然素材だが、合成接着剤やアクリル樹脂を混ぜたものもある

構造材

一見同じような無垢の柱でも、中身は板を貼り合わせたものや、薬剤処理が施されているものなどがあります。

無垢材(柱、梁など)国産材杉や檜、松、ヒバが主流天然乾燥材と機械乾燥材がある薬剤処理なし
薬剤処理あり
外材北欧などの寒冷地産には高温多湿な日本の気候に合わないものもある薬剤処理あり
集成材 (柱、梁など)構造用集成材5cm以下のひき板を接着してつくられる
化粧貼り集成材表面に化粧薄板を接着してつくられる
無垢板 (床下地や屋根の野地板など)薬剤処理なし
薬剤処理あり
構造用面材 (耐力壁など)構造用合板広葉樹、針葉樹の単板を接着してつくられる
構造用MDF植物繊維と合成樹脂を主原料としてつくられる
無機系ガラス質複層板や繊維強化セメント板などがある

建具・キッチン

既製品の建具やキッチンは当然、自然素材とはいえません。

無垢材国産材、外材、薬剤処理なし、ありなど様々
幅はぎ材木材の繊維方向が同一に横方向だけを接着した単一層の板
造作用集成材木材の繊維方向をほぼ平行にして集成接着したもの
べニア薄く切削した単板を繊維方向に互い違いに重ね、加熱接着した木質板
ポリエステル化粧合板合板を基材として柄を印刷あるいは着色した化粧紙を接着したもの
メラミン化粧板樹脂シートを高温高圧成型したプラスチック板
パーティクルボード木材の小片と接着剤を用いて成型・圧着された複層木質板
MDF植物繊維と合成樹脂を主原料としてつくられる
自然石天然の石から切り出し加工したもの
人工大理石合成樹脂で形成された人工素材

塗料

本当に安全を求めるなら塗料にもこだわらなければなりません。

単一自然素材植物油、柿渋、ベンガラなど単一の素材
調合自然素材植物油、樹油、顔料など天然由来成分を調合した塗料
合成樹脂油性ワニス、アクリル系、水性ウレタンワニスなど

表のとおり、家には様々な素材が使われています。また一口に自然素材といっても薬剤処理をしたものや接着剤で貼り合わせたもの、樹脂加工したものなどがあります。

自然素材であれば安心と考えず、健康に暮らすことを第一優先で家づくりを考えている方は素材選びを吟味しなければなりません。

シックハウス対策をしたいのなら、体に優しい=自然素材ではなく、体に優しい=VOCを放出しない素材と認識するべきです。

次に自然素材のメリット、デメリットについて素材ごとにまとめました。

自然素材のメリット

無垢材肌触りが暖かく、柔らかな優しい感触で何とも言えない良さがある本物の良さをいつまでも味わえ、時間が経つに従って風合いが増す調湿作用がある構造材に用いると力強さや安心感を感じる
本畳(イ草・藁)柔らかな足触りと心地よい座り心地がある
漆喰・珪藻土優れた調湿性がある、抗菌・消臭効果がある
自然石耐久性・耐火性・耐熱性に優れている
天然由来の塗料VOCを放出せず、人と環境に優しい

自然素材のデメリット

無垢材品質がピンからキリまであり、工業製品のように品質が均一ではない乾燥状態が充分でないものだと透いたり、反ったりする木の癖を見極めて使い分ける高い職人技術が必要
本畳(イ草・藁)樹脂製の畳に比べると耐久性、耐汚性に劣る
漆喰・珪藻土ひび割れが生じたり、柱や梁との間に隙間が空くことがある珪藻土が数%しか含まれていなくても珪藻土壁として販売されている粗悪品もあるので注意が必要である
自然石材料費、施工費のコストがかかる
天然由来の塗料合成塗料に比べると耐久性に劣る

自然素材のまとめ

住宅模型とまとめ

新建材を使った家は建てた時が最良で経年変化により劣化が進みますが、自然素材の家は経年変化により風合い、色艶の深みが増していきます。

無垢の木であれば、ある程度の割れやくるいも生じますが、それも本物が持つ味であると考えると自然素材には欠点を補って余りある魅力があります。

家に安らぎや癒し、心地よさを求める方は自然素材の家を検討してみてもよいのではないでしょうか。

さらに、心の安らぎだけでなく体の健康を求める方は薬剤処理や接着剤などで加工していない自然素材を選ぶことが家づくりの条件になります。

四季工房は、体に優しい=「薬剤処理をしていない自然素材」の認識で厳選した素材を用いた家づくりを行っています。

四季工房が実現する自然素材の家

四季工房では住む人の住み心地と安全性、環境に配慮した家づくりを行っています。

室内空気の汚染が原因で起こるシックハウス症候群。その主な原因はホルムアルデヒドという化学物質であることが分かっています。

四季工房は新建材に頼らず自然素材を使った家づくりをし、ホルムアルデヒドのみならず人工由来の有害化学物質を削減する取り組みを続けてきました。

四季工房の自然素材の家について詳しく知る

化学物質を低減した自然素材の家づくりを実現しよう

四季工房ではせっかく建てた家が、大切な家族の健康を害することがあってはならないという考えのもとお客様に寄り添いながらご相談を承ります。

自然素材の家に興味がある方は、ぜひ一度四季工房にお問合せください。

お問合せ|福島の注文住宅、自然素材の家なら株式会社四季工房