
コラム
新築と中古はどっちが良い?メリット・デメリットの比較やポイントを解説
この記事では、新築住宅と中古住宅のどちらが良いか解説します。
新築・中古は、マイホームを選ぶうえでの大きなポイントの1つです。
費用だけでなく、それぞれの家の特徴をしっかりと把握しておくことが大切です。
この記事では、新築・中古住宅のメリットとデメリットを詳しく解説します。
それぞれの成約件数や費用面についても紹介するので、新築と中古のどちらを選ぶか迷っている人はぜひこの記事を参考にしてください。
【この記事でわかること】
・新築・中古の成約件数
・新築・中古の費用面はどっちがお得なのか
・新築住宅のメリット・デメリット
・中古住宅のメリット・デメリット
・新築か中古かを検討するときのポイント
新築・中古の成約件数

ここでは、新築・中古それぞれの成約件数を見ていきましょう。
全国宅地建物取引業協会連合会の調査によると、2023年の首都圏の物件成約件数は以下のようになりました。
物件種別 | 成約件数(件) |
新築戸建て | 4,312 |
中古戸建て | 12,871 |
首都圏では、新築住宅より中古住宅の成約件数が多いとわかります。
国土交通省の『住宅市場動向調査報告書』では、中古住宅を選択した理由として以下が挙げられています。
【中古住宅を選択した理由】
・費用面を考慮した結果、中古住宅が手頃だった
・新築住宅にこだわらなかった
・外装や内装、水回りなどがリフォームされてきれいだった
※参考:令和5年度 住宅市場動向調査報告書丨国土交通省(p.26)
一方、同調査では中古住宅ではなく、新築住宅を選んだ理由として以下の内容が挙げられていました。
【新築住宅を選択した理由】
・新築住宅のほうが心地良かった
・中古住宅はリフォームなどで費用が割高になる印象があった
・中古住宅の隠れた不具合が心配だった
※参考:令和5年度 住宅市場動向調査報告書丨国土交通省(p.26)
新居での住みやすさや総合的な費用を考慮した結果、新築住宅を選んだという人も見られます。
新築住宅と中古住宅を検討する際には、自分がマイホームに求めるポイントの優先順位を考えることが大切です。
新築・中古の費用面はどっちがお得なのか

ここでは、新築住宅と中古住宅を購入する際にそれぞれ発生する費用を見ていきましょう。
以下の条件に基づいて費用を設定します。
【条件】
・新築戸建ては注文住宅で長期優良住宅を選択
・中古戸建ては購入後にリフォームを実施
・購入時の諸費用
・新築住宅:物件価格の5%
・中古住宅:物件価格の10%
・メンテナンス費用は新築・中古ともに築30年で600万円
・新築・中古ともに住宅ローン控除を利用する
購入した住宅に30年居住する場合、必要になる費用は以下の通りです。
新築戸建て | 中古戸建て | |
物件価格 | 6,000万円 | 3,000万円 |
住宅ローン借入額 | 4,000万円 | 1,500万円 |
リフォーム費用 | ー | 150万円 |
諸費用 | 300万円 | 300万円 |
メンテナンス費用(30年) | 600万円 | |
住宅ローン控除額 | 400万円 | 200万円 |
費用合計 | 6,500万円 | 3,850万円 |
シミュレーションの結果、新築と中古では費用に3,000万円程度の差があるとわかりました。
ただし、中古住宅で発生するリフォームの程度は物件によって異なり、築年数が経過している場合は1,000万円程度必要になることがあります。
また、新築住宅は中古住宅に比べて補助金・減税制度で活用できる優遇制度が多くあります。
新築住宅と中古住宅を検討する場合には、ご自身の条件から細かくシミュレーションを行い、必要に応じてファイナンシャルプランナーや建築会社などに相談することがおすすめです。
新築住宅のメリット

ここでは、新築住宅のメリットを紹介します。
・ランニングコストを抑えやすい
・最新の住宅設備を揃えられる
・税制優遇を適用しやすい
・保証やアフターサービスが充実している
最新の住宅設備を揃えられる
新築住宅では、購入時点での最新設備を取り入れられます。
断熱性や防音性が高い建材に加え、高効率なキッチンや浴室の導入など、省エネや家事の負担削減に繋がる家づくりが可能です。
設備を選ぶ際には、家に求める希望条件の優先順位が高いものから選びましょう。
ランニングコストを抑えやすい
新築住宅は省エネ性能が高く、光熱費などのランニングコストを抑えられます。
特に、高断熱・高気密な住宅なら、夏や冬の冷暖房費用を抑えながら1年を通して快適な家になるでしょう。
また、設備自体が新しく故障しにくいため、修繕費がかからないなどのメリットもあります。
税制優遇を適用しやすい
先述のとおり、新築住宅のほうが中古住宅よりも減税制度などで優遇措置を受けられる傾向にあります。
具体的には以下の制度が挙げられます。
制度 | 優遇措置 |
住宅ローン控除 | 新築住宅は控除適用期間が最大13年間(中古住宅は最大10年間) |
固定資産税の減額措置 | 戸建て住宅の場合、税額が3年間1/2に減額される |
不動産取得税の軽減措置 | 課税標準額から1,200万円を控除 |
上記の他にも居住地域の自治体が補助金制度を提供している場合があるため、確認してみましょう。
ただし、新築住宅で住宅ローン控除を利用する場合には、一定の省エネ性能を有していることが必要です。
※参考1:住宅ローン減税丨国土交通省
※参考2:新築住宅に係る税額の減額措置丨国土交通省
※参考3:不動産取得税に係る特例措置丨国土交通省
保証やアフターサービスが充実している
新築住宅の場合、販売する建築会社などによる10年間の保証が法律によって義務付けられています。
引き渡しを受けてから10年以内に、構造上の主要部分や雨水の侵入を防ぐ部分に欠陥が見つかった場合、無償で修繕を受けられる保証です。
また、10年保証の他にも建築会社が独自のアフターサービスを提供している場合があります。
建築会社を選ぶ際には、アフターサービスの充実度も考慮することがおすすめです。
※参考1:住宅の品質確保の促進等に関する法律丨e‐GOV
※参考2:住宅瑕疵担保履行法丨一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会
新築住宅のデメリット

新築住宅にはメリットが多くある一方、以下のようなデメリットもあります。
・物件価格が高額になる傾向にある
・契約から入居までの期間が1年程度かかることがある
・契約時に実物を確認できない場合がある
新築住宅は中古住宅と比べて設備や建材が新しいため、物件価格が高くなる傾向にあります。
また、注文住宅の場合、建築会社と工事請負契約を結んでから実際に入居できるまでの期間は1年程度とされています。
契約時には着工されていない状態のため、入居するまで実際の家を確認できない点もデメリットの1つです。
建売住宅であれば、入居までの期間や実物を確認できないなどのデメリットはカバーできますが、間取りや設備を自由に選べない点に注意しましょう。
中古住宅のメリット

ここでは、中古住宅のメリットを紹介します。
・初期費用が安く済む傾向にある
・入居までの期間が短い傾向にある
・周辺環境や管理状況を把握しやすい
初期費用が安く済む傾向にある
中古住宅は新築住宅と比較して、物件価格が低い傾向にあります。
購入時の初期費用を抑えられるだけでなく、固定資産税評価額が低いことから税負担も抑えられるでしょう。
ただし、購入後にリフォームが必要な場合は、その費用も考慮することが大切です。
入居までの期間が短い傾向にある
新築注文住宅を選択した場合、建築会社と契約してから実際に入居するまでに長い期間が必要になります。
中古住宅は既に完成した状態で販売されているため、契約手続きが完了すればすぐに入居できます。
建築期間を待つ必要がないため、早く新生活を始めたい人におすすめです。
周辺環境や管理状況を把握しやすい
中古住宅は既存物件であるため、実際の建物や部屋の状態を確認できます。
また、周辺の生活環境や近隣住民の様子も把握できるため、安心して購入を検討できるでしょう。
前の入居者とコンタクトを取れる場合には、住心地や周辺施設について確認しておくとよいでしょう。
中古住宅のデメリット

ここでは、中古住宅のデメリットを紹介します。
・リフォームが必要になるケースがある
・耐震性能や設備に不安が残る
・住宅ローン審査に通らないケースがある
リフォームが必要になるケースがある
築年数が著しく経過している中古住宅の場合、内装や設備の状態が悪いことがあります。
購入後のリフォームが必要になる場合がほとんどで、追加の費用が発生します。
部分的なリフォームであれば費用を抑えられますが、フルリフォームや建て替えの場合は新築住宅購入と同等の費用が必要になるでしょう。
耐震性能や設備に不安が残る
1981年以前に建築されている住宅の場合、現行の耐震基準を満たしていない場合があります。
耐震性が不十分で地震によって倒壊するリスクが高いため、耐震診断を実施して現行の基準を満たしているか確認することが必要です。
万が一基準を満たしていない場合は、基準を満たすように改修する必要があります。
住宅ローン審査に通らないケースがある
中古住宅は築年数が経過しているため、担保価値が低く見積もられることがあります。
金融機関は、住宅の担保価値を基準に融資額を回収できる見込みがあるか判断し、回収できないと判断した場合は融資を断ります。
そのため、中古住宅の場合は住宅ローンの審査が厳しくなり、希望する融資を受けられない場合があるでしょう。
新築か中古かを検討するときのポイント

ここでは、新築・中古を判断するときのポイントについて解説します。
・事前に諸費用を含めたシミュレーションをしておく
・家族と相談しながら優先順位を明確にする
・スケジュールに余裕があるかを確認する
事前に諸費用を含めたシミュレーションをしておく
住宅購入では、物件価格の他にさまざまな諸費用が発生します。
新築住宅の場合は登記費用や住宅ローンの手数料、不動産取得税などが必要になり、中古住宅の場合は上記に加えて仲介手数料が必要です。
また、住宅ローン控除や減税制度の優遇措置などで節税できる税額は、世帯や選択する住宅によって異なります。
新築・中古のそれぞれでシミュレーションを実施しておくことが、費用を抑えるためのポイントです。
家族と相談しながら優先順位を明確にする
住宅を選ぶ際は立地や広さ、建物の価格や築年数など、さまざまな要素を考慮しなければなりません。
家族で話し合い、希望条件を出したあとで最も重視することを明確にしましょう。
たとえば、通勤や通学の利便性を重視するのか、広い庭や部屋数を求めるのかなど、具体的に話し合っておくことが重要です。
スケジュールに余裕があるかを確認する
新築住宅と中古住宅では、入居までのスケジュールが異なります。
新築の注文住宅は設計や建築に時間がかかるため、契約から入居までに1年以上がかかることがあります。
一方、中古物件は建物が完成しているため、リフォームを実施しない場合は契約後すぐに入居が可能です。
自分や家族のスケジュールや引越しタイミングを考慮し、余裕を持った計画を立てましょう。
新築・中古に関するよくある質問

ここでは、住宅の新築・中古に関してよくある質問に回答します。
・買ってはいけない中古住宅の特徴は?
・新築・中古それぞれがおすすめの人の特徴は?
買ってはいけない中古住宅の特徴は?
中古住宅を選ぶ際、基礎部分のひび割れや傾き、屋根や外壁の損傷など、構造上の問題が発生していないか確認しましょう。
また、内部に雨漏りの痕跡やシロアリ被害がないか確認しておくことも大切です。
中古住宅の購入時には、地盤調査が完了しているか尋ねておきましょう。地盤が弱いと家の倒壊リスクが高く、地盤改良工事が必要になるケースがあります。
必要に応じて、専門家に住宅診断(ホームインスペクション)を依頼することもおすすめです。
新築・中古それぞれがおすすめの人の特徴は?
新築住宅がおすすめの人は、最新設備やデザインにこだわりたい人です。
新築住宅は最新の設備を導入したり、自分で間取りやデザインを選択したりできるため、自由度の高いマイホームを取得できます。
また、購入後に充実した保証やアフターサービスを求める人にも、新築住宅が向いています。
一方、中古住宅は予算を抑えたい人におすすめです。物件価格が新築住宅よりも低い傾向にあり、諸費用も抑えられます。
加えて、リノベーションをしたい人にも中古住宅が向いているでしょう。
新築か中古かは暮らしのイメージをしながら検討しよう

この記事では、新築住宅と中古住宅のどちらが良いかを解説しました。
新築住宅と中古住宅には、それぞれ生活するうえでのメリットとデメリットがあります。
費用をシミュレーションしたうえで、自分や家族のライフスタイルに合う住宅を選択することが大切です。
また、住宅を検討する際には家族で希望条件を出し合い、話し合って優先順位を明確にすることもポイントになります。
優先順位が高い条件から採用し、予算内に抑えながら理想のマイホームを実現しましょう。
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